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私はこういう小説が読みたくて本を読み始めたのかもしれない。探偵になって事件を解決するわけでも、困難に向かって力を合わせて頑張るわけでもない。読みながら、ただただ、大切な人を浮かべて、ああ、会いたいな、って思う話だった。
誰の一番にもなれない人生だった。自分の事を自分でも愛せなかった。それでも、自分のままでいいのかもしれない。まだ、自分を諦めなくていいのかもしれない。自分の為にある本と出逢えた。これ以上の推し理由はない。
「食べるという事は生きるということ」と言うけれど、誰かと食事をするという事は「誰かと生きるということ」だろうか。特に食事の描写がとても丁寧で、とても幸せで、"私も誰かと美味しく食事を取りながら生きたい"と思った。本当は綺麗事だけでは生きていけない。でも同じくらい綺麗事を言わないと生きていけない。柔らかなエンディングで美しく尾を引く。
読書スピードが遅い私が怒涛の勢いで読破した、文字だけで香りを伝える表現力に圧倒される一冊。静かで、豊かで、深くて、歪で、春の日差しのように柔らかで、冬の軒先のように鋭い。恋愛とは少し違う関係性が好きなら、ぜひ。
身も心も張り詰めて、自分が見えなくなってしまった人たちに贈りたい。誰だって見えない負荷を抱えながら、それぞれの居場所で必死で生きている。だからこそ、心のこもったご飯やお茶を味わい、そっと涙を流せる場所が必要なんです。
めっっっっちゃ良かった。アツかった。生きる、働くとはという問いから、人の繋がり、人情を描いた話でほんと胸熱。笑ったし泣けた。登場人物が皆ほんといい人で好きになっちゃう。生きるのが疲れちゃったり働く意味を見失っている人に読んで欲しい。
全く前知識なく読んだ方が良いです。これは。読めば読むほど、そういうこと?!と、色々なことが分かっていって、読むのが止まらない。本当に止まらなくなります。どんどん心の鉛が増えていく感じもあるけど、一生私の中に残り続けるだろうなという印象深いシーンもどんどん出てきて、カズオ・イシグロさんの天才的な表現力を痛感します。
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